音匠仕様(グリーンレーベルコート)。世界初SACD化
エディット・ピアフとともにフランスを代表するシャンソン歌手のバルバラ(1930-1997)。オーディオ界では、今は亡き瀬川冬樹氏が愛聴されていたことでも有名です。そのバルバラが1966年12月にパリのボビノ座で行なったリサイタルを収めたのが、本作『Barbara Bobino 1967』。
アコーディオンのジョス・パセリとアコースティックベースのミッシェル・ゴードリーという二人の名手が、さりげなく、かつ的確に、ピアノを弾きながら歌うバルバラをサポート。そんな三人がボビノ座の空間で奏でた音楽は、まさにインティメイトという言葉がふさわしいでしょう。
マスターとしたのは、フランス・フィリップスを経てユニバーサルミュージック・フランスのテープ保管庫に厳重に保管されていた、初回LPのためのカッティングマスターです。本作には2007年にマーキュリー・レーベル(ユニバーサルミュージック・フランス傘下)より発売された16曲入りヴァージョンのCD(輸入盤のみ)もありますが、広く知られるLPとは編集(や曲順)が異なり作品の印象が大きく変ってしまっているため、今回はあえて10曲にまとめられたオリジナルLPに準じた復刻を行なっています。
マスタリングを担当したのは、パリで「DES Studio Paris」を主宰するPoussin氏。DSDの扱いにかけてはフランス国内では指折りの実力者と、ユニバーサルミュージック・フランスが太鼓判を押すエンジニアです。ステレオサウンド社からの3つのリクエスト(①アナログテープの扱いに長けている方、②DSD信号の扱いに長けている方、③フランス語特有のアクセントが身体に染みついている方)に加えて、国境を越えるマスターテープの持ち出しを認めないというユニバーサルミュージック側の条件をすべて満たすパーフェクトな人選であり、結果的にそれが間違いではなかったことは完成したディスクの音が証明しているでしょう。
[収録曲]
1. |
MADAME [3:37]
マダム |
2. |
PARCE QUE JE T’AIME [3:51]
愛するゆえに |
3. |
A MOURIR POUR MOURIR [3:52]
死にあこがれて(ア・ムリール・プール・ムリール) |
4. |
AU COEUR DE LA NUIT [3:51]
真夜中に |
5. |
Y’AURA DU MONDE [3:20]
私の埋葬式に |
6. |
UNE PETITE CANTATE [2:11]
小さなカンタータ |
7. |
A CHAQUE FOIS [1:44]
愛の語らいにはいつも |
8. |
MA PLUS BELLE HISTOIRE D’AMOUR [5:22]
我が麗しき恋物語 |
9. |
LE MAL DE VIVRE [4:00]
孤独のスケッチ |
10. |
LES RAPACES [4:41]
欲ばりども |
バルバラ(vo)
ジョス・バセリ(acc)、マイケル・ゴードリー(b)
録音:1966年12月 パリ、ボビノ座(ライブ)ライナーノート:和田博巳