スザンヌ・ヴェガ 『街角の詩』
1985年にリリースされたスザンヌ・ヴェガのデビュー作が、SACD/CDハイブリッド盤で登場します。1960年にカリフォルニア州サンタモニカで生まれた彼女は2歳のときニューヨークに移住。14歳の頃から創作活動を開始し、カルチャー発祥の地として有名なグリニッジ・ヴィレッジを拠点に音楽活動を展開していました。A&Mレーベルから発表された本作は、25歳の尖った感性を持つシンガー・ソングライターとしての彼女のスタンスを見事に捉えています。プロデュースはアメリカン・パンクの先駆者として知られるパティ・スミス一派のレニー・ケイが担当。バックバンドを従え、アコースティック・ギターを弾きながら表現力豊かに歌われる曲は、否応なく聞き手の心に響いてきます。ビート・ジェネレーションの影響を少なからず受けていることもあり、彼女の作る歌には常に反骨精神が宿っているのも聴き処です。韻を踏んだ歌詞や行間に彼女ならではの個性が感じ取れることでしょう。ポエトリー・リーディングを昇華させたような歌唱スタイルは、当時注目を集めました。
今回のSACD/CDハイブリッド盤は、米国に保管されているアナログマスターテープからフラットトランスファーにて商品化しています。エンジニアはキャピトル・スタジオのヴェテランとして活躍しているRobert Vosgien氏。小林慎一郎氏による新規ライナーノートでは、スザンヌ・ヴェガという歌い手が誕生したグリニッジ・ヴィレッジの歴史や当時の空気感、本盤ならではのディスクの聴き処などが明らかにされています。
[収録曲]
1. Cracking クラッキング
2. Freeze Tag 冬の日には
3. Marlene on the Wall マレーネの肖像
4. Small Blue Thing スモール・ブルー・シング
5. Straight Lines ストレート・ラインズ
6. Undertow アンダートウ
7. Some Journey サム・ジャーニー
8. The Queen and the Soldier 女王と兵士
9. Knight Moves ナイト・ムーヴス
10. Neighborhood Girls 街角の女の子
発売日 2018年11月15日