こちらは、フレディ・ハバード盤の前年、1978年の11月に行われたエスター・フィリップスのライヴ・パフォーマンス。この日のステージが2枚のCDに収められています。
エスターは数多くのヒットを放ったアトランティックを離れて1972年にKUDUへ移籍、ここでもソウルフルでありながら洗練されたサウンドをバックに次々と傑作を生み出していきましたが、1977年にはさらにマーキュリーへと移りました。
これはマーキュリー時代のパフォーマンスで、エスターは彼女本来のアーシーでグルーヴィなヴォーカルを全編にわたって披露、大きな影響を受けたダイナ・ワシントンのレパートリーを歌ってエスター自身の大ヒット曲となった“恋は異なもの”も取り上げて聴衆を魅了しています。ダイナやダイナに影響を受けたナンシー・ウィルソン、マリーナ・ショーなどをさらにアーシーでソウルフルにしたようなエスターのスタイルは、ライヴでこそ完璧に楽しむことができるもの。多才なレパートリーで聴く者を楽しませるこのCDもライヴならではの魅力にあふれています。
84年に49歳という若さで世を去ってしまった彼女は、十分な数のレコーディングを残しているとは言えないので、この発掘はファンにとって嬉しい贈り物となりました。
[収録曲]
Side A
1. I’ve Never Found A Man (Booker T Jones, Eddie Lee Floyd, Alvertis Isbell) (5:40)
2. One Night Affair (Kenneth „Kenny“ Gamble, A. Leon Huff) (4:51)
3. Stormy Weather (Harold Arlen, Theodore „Ted“ Koehler) (8:43)Side B
4. Man Ain’t Ready (Obi Jessie) (3:52)
5. The Blues (Esther Phillips) (18:24)Side C
6. Native New Yorker (Sandy Linzer, Denny Randell) (12:29)
7. MS (David L. Oliver, Ruth Robinson) (6:13)
Side D
8. Cherry Red (Peter Johnson, Joseph Vernon “Big Joe” Turner) (12:15)
9. What A Difference A Day Makes (Maria Grever, Maria Grever, Stanley Adams) (12:58)
発売日:2017年12月28日