このところウディ・ショウの未発表演奏が続々と発掘されているのは嬉しい限りです。ウディは、フレディ・ハバードの良きライヴァルでしたが、フレディがあまりの技術の高さ故に「自分の声」を確立することにやや苦労したのに対し、ウディは、音程のインターヴァルを大きくとる独自のフレイジングを若くして確立し、フレディよりも鋭角的かつスリリングなスタイルで高い評価を得たのでした。
ウディは1970年代中頃から自らのグループを率いて活躍しましたが、これは1982年にハンブルクのクラブ“Onkel Pö’s Carnegie Hall”で行われたライヴ・パフォーマンスを収録したCDで、スティーヴ・トゥーレ、マルグリュー・ミラー、スタフォード・ジェームズ、トニー・リーダスを加えたクインテットによる覇気に満ちた演奏をたっぷりと楽しむことができます。
このクインテットは、1981年3月7日録音の米コロンビア盤『United』で初めて顔を揃え、以降1983年初頭までの間にenja、Elektra Musician、Redといったレーベルにいくつもの力作を残していますが、ここに発掘された演奏は、それらを補完し、クインテットの魅力を余すところなく伝える充実した内容。演奏されている4曲はいずれも他のアルバムで披露されているウディ自身のオリジナルですが、ライヴならではの熱気がオリジナル・ヴァージョン以上の衝撃を与えてくれます。
[収録曲]
LP1
1. Katrina Ballerina (Herman II “Woody” Shaw) (19:28) [sideA]
2. Joshua C. (Herman II “Woody” Shaw) (17:31) [sideB]LP2
3. Sunbath (Peggy Stern) (19:02) [sideC]
4. Diane (13:12) [sideC]
5. To Kill A Brik (Herman II “Woody” Shaw) (13:11) [sideD]
発売日:2017年12月29日