2019年3月、弊社クリティクスシリーズとしてSACD/CDハイブリッド盤をリリースした小原由夫氏の選曲・構成による『クロスオーバー黄金時代 1977~1987 FUSION 』が、この度LPレコードとして登場します。同作はビクターエンタテインメントが1970年代~1980年代にかけて果敢に録音制作に取り組んでいた数多のフュージョン音源の中から、小原氏がサウンドと音楽の両面において抜きん出た全13曲を選び、曲順を考慮した上で一枚のディスクにまとめたオーディオファイルのための高音質コンピレーションです。同作は全13曲の内、1曲を除きアナログマスターが良好なコンディションで保管されていたため、あえてアナログマスターテープをスチューダーのテープレコーダーでプレイバックし、SACD層の音源を制作しました。すでにその高品位な仕上がりを耳にした方は少なくないかも知れません。
この度、装いも新たに登場する『クロスオーバー黄金時代1977~1987 FUSION 』のLPレコードは、アナログマスターの取り扱いに関して造詣の深い松下真也氏(Piccolo AudioWorks)にカッティングを委ね、マスターテープの持ち味をダイレクトに引き出しながら最高品質の33 1/3回転・2枚組LP(180グラム重量盤)として商品化しました。A面に4曲、B面に3曲、C面に3曲、そしてD面に3曲を収めることで、各々のマスターテープに記録された音の魅力を最大限LPレコードの音溝に刻んでいます。かつてビクターエンタテインメントが制作費を惜しみなく投入し生み出した音楽の数々、音の魔法がテレフンケン製テープレコーダーとスカーリー製カッティングレースによって、ここに蘇っています。左右・奥行きのみならず、高さ方向にまで配慮の行き届いたエンジニアリングの妙が、本作で追体験できることでしょう。小原由夫氏の考える現代LPレコードの理想の形を、松下真也エンジニアが見事に具現化しています。