Audiolab Used Restore

 

2007年11月、【JBL Decade26】のご予約をいただきました。まことにありがとうございます。先にご予約いただいていたスピーカーがあったため、12月の中旬までお待ちいただきようやく作業を開始しました。大変お待たせいたしました。正直、このスピーカーは大変状態が悪く、とくにエンクロージャーはシミやキズがたくさんあります。できる限りきれいに仕上げたいと思います。ごゆっくりご覧ください。

 
 

 

1作業前の外観

1.作業前の画像をあまり残しておりませんでした。これが正面からです。エッジがぼろぼろですね。


2.天板もキズ、シミがたくさんあります。とくにシミは表面だけでなく奥までしみていることが多いのでどこまで消せるか心配です。

3.花瓶などを置く方が多いようです。でも水は大敵ですのでこんな状態になってしまいます。

4.ユニットです。幸いにもユニットは比較的きれいでした。ただツィーターはオーバーホールをするためにコーン紙を切り抜く必要がありますので、最終的に新品に交換します。そのため、ウーハーだけ中古のコーン紙になります。

もう少し作業前の画像をお見せしたかったのですがこれしかありませんでした。すみません。なんとか美しく仕上げたいと思います。

 

 

2ウーハーユニット 【125A】 レストア作業

1.作業前です。もちろんエッジはすでにぼろぼろです。

2.びっくりしたのは磁気回路です!抹茶パウダー?と思いました。


3.コーン紙を抜きました。中は黄色の酸化を通り越して完全なる赤錆になっています。


4.左右両方とも同じ状態です。

5.抹茶な感じの磁気回路も左右おそろいです。

6.コーン紙です。

7.ボイスコイルはきれいです。

8.とある理由でセンターキャップをはがすことにしました。

9.とある理由とはこれ!ボイスコイルのモール線完全に酸化しています。導通はあるものの万全とはいいがたいですね。

10.左が交換前、右が交換するモール線です。交換するにはセンターキャップをはがす必要があるのです。。。

11.交換しました。きれいになりました。

12.磁気回路のオーバーホールも完了です。

13.ギャップ内部もかなりさびていましたがこのとおり!

14.裏側の抹茶色もこのとおりです。もちろん防錆剤も塗布済みです。

15.交換するエッジです。

16.エッジ、センターキャップも貼りました。音に関しても問題ありません。

17.ようやく完了です。

 


ウーハーユニットが完成しました。モール線の交換が予定外でしたがどうにか完成です。

 

ツィーター 【LE25-2】 レストア作業

1.コーン紙は形もきれいなのですが、オーバーホールするためには切り抜かなければなりません。そのためすべて新品になりますがもったいないような気もしますね。

2.ウーハー同様磁気回路側は酸化が激しいです。

3.逆チャンネルです。こちらは型番のプリントがなくなるほどの酸化です。

4.コーン紙を抜きました。内部は思っていたほどではないです。見えない部分ですがフランジにキズができてしまいました。

5.フランジの色は左右で若干異なるようです。せっかくですので再塗装しましょう。

6.端子です。ここもかなり酸化しています。音に影響する大切な部分ですので丁寧にクリーニングしました。

7.オーバーホールおよび再塗装、もちろん防錆剤も塗布済みです。

8.磁気回路もこのとおりです。

9.これは交換部品です。JBL純正です。

10.中を開けるとこんな感じになっています。小さくて大変です。

11.コーン紙・センターキャップを貼り、周りのパッキンも新品になりました。音の調整も難なく終わりスムーズに作業完了です。

 


ツィーターも完成です。新品のコーン紙ですのでとてもきれいで満足のいく仕上がりです。あと少しですね。

 

クロスオーバーネットワーク 【N26】 レストア



1.はずしたところです。JBLは普通ネジでとまっているのですがこのモデルはステープルでパッチリととまっていました。はずすのに非常に苦労しましたし、取り付ける方法も考えなければならないようです。

2.動作チェックしとところコンデンサ、コイルには全く問題ありませんでした。ただアッテネーターに一部接触不良が見られましたので交換することにします。


3.これが新品のアッテネーターです。


4.交換完了です。それぞれの配線のハンダもところどころ補修しました。

5.いろいろ考えたのですが、エンクロージャーからネットワークプレートにネジ止めすることにします。プレートに隠れて見えない場所に穴を開けネジでとめます。

6.よきところに穴を開けるとコンデンサーに刺さってしまいますのでコンデンサーをはずして別の場所へ移動しましょう!これで次回レストアするときも楽にできますね。


なんだかんだとネットワークをはずす作業に一番時間が取られました。JBLではどのように組み立てたのでしょうか?とても不思議です。

 

エンクロージャー補修・組み込み作業


1.いよいよ最難関のエンクロージャーです。前面バッフルおよび正面から見える三面を念入りに素地調整します。

2.天板はシミ、キズなどがたくさんあるのでとくに念入りに行いました。

3.ほとんどのシミ、キズは見えなくなったようです。


4.前面を再塗装です。やはりもともとの材があまり滑らかでないため若干凹凸ができていしまいましたが、それでも作業前に比べると段違いです。

5.木目部分もオイルで仕上げました。こうしてみるととてもきれいです。

6.スピーカーターミナルです。接点ビスもかなりの酸化でした。また一つとても色落ちしているものがあります。これではあまりですので当店秘蔵の在庫と交換します。

7.クリーニング済みです。

8.左が交換前、右が新品のビスです。交換前はなんと長さの異なるビスが使われていました。

9.各ユニットの取り付けビスです。とても錆びています。

10.錆び取り後再塗装しました。

11.ネットも新品に貼り替えました。このモデルは複数の色があるのですが、お客様のご希望の紺色のネットです。

 


いよいよ完成です。組み込み作業も終わり完成した姿をご覧ください。

 

完成『JBL Decade26 model L26』


1.ようやく完成です。


2.プレートが所定の位置に収まると完成した、という気になります。

3.エンクロージャーもオイルがなじんでなかなか良い具合です。

4.気になるキズ、シミも消えました。

5.ネットを付けるとこのとおり。

6.ようやくほっとする瞬間です。


お付き合い誠にありがとうございます。今回はもともとの状態が良くなかったのでどうなるか心配でしたがなかなかの仕上がりになりました。オイルも良くなじんでくれて一安心です。 なにより驚きましたが音がとてもすばらしいです。とても元気な音楽が飛び出してきます。JBLの高級モデルとはまた違った、とても気持ちの良い音楽を奏でてくれます。すでにお客様のもとへお届けしたのですが、とても喜んでいただきました。この仕事をしていて、もっともうれしい瞬間ですね。きっとかわいがってくれると思います。  ありがとうございました。

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