Audiolab Used Restore

2007年11月に【JBL Decade26】(後期型)を予約いただいた際、同時に『L26』の前期モデルの【JBL Decade】(前期型)の作業も同時進行で始めました。この時点で予約をいただいていたわけではなかったのですが、私がL26の音にほれ込んでしまったこと、同じ構成の場合同時に作業を行ったほうが効率的ですので、作業を開始しました。とはいえ、なんだかんだと時間がかかってしまい、ご予約いただいた「後期型」に比べ約2ヶ月遅れでようやく完成しました。同じ商品ですが、ところどころ異なっている箇所があり、小さな発見で楽しみながら作業を行いました。【フルレストアの記録『JBL Decade26 modelL26』の場合】と比べながらご覧いただけたら興味深いと思います。ごゆっくりご覧ください。

2ウーハーユニット 【125A】 レストア作業

1.作業前です。もちろんエッジはすでにぼろぼろです。
「後期型」とはパッキン の形状、素材が違いますね。こちらは紙製パッキンでした。


2.磁気回路です。後期型は鉄むき出しでしたが、前期型は黒で塗装してあり、酸化から守られていました。なぜでしょう?この点は前期型が優れていますね。


3.コーン紙を磁気回路から抜きました。やはり、「後期型」同様ギャップ内は激しい酸化が見られます。


4.触らないとわかりにくいですが、ダンパーの材質が違います。後期型に比べ前期型のダンパーはコシがあって色も鮮やかです。多少は音にも影響するのでしょうね。

5.モール線はこのとおり。新品に交換します。

6.磁気回路のオーバーホール後です。ギャップをマスキングテープでふさぎホコリなど異物の進入を防ぎます。

7.エッジ、コーン紙を貼ったところです。モール線交換のためセンターキャップをはずしています。

8.磁気回路の中心には防塵のネットがあります。

9.センターキャップ、パッキンを貼りました。ウーハーの作業は完了です。

10.型番が記載されているシールもはがれかけていましたので貼りなおしました。きれいに仕上がったと思います。

ウーハーの作業が完了です。

同じ『125A』ですが、かなり相違点がありますね。まじまじと比べないと気づかないもので、私たちも大変勉強になりました。

 

ツィーター 【LE25】 レストア作業

1.後期型は『LE25-2』でしたが、前期型は『LE25』を搭載しています。このとおり、型番が記載されたシールが貼ってありますね。

2.パッキンが劣化してなくなっています。後期型とはパッキン自体が違うため、このようになってしまいます。

3.コーン紙を抜きました。磁気回路内部はなかなかきれいです。

4.磁気回路はどちらもこのとおり。酸化が激しく、ところどころ赤錆が発生しています。

5.オーバーホールを行いました。防錆剤も塗布済みです。

6.このとおり。ギャップ内部も丁寧にクリーニングしています。

7.そういえば、フランジの材質も『LE25-2』とは異なっています。よく見ないとわかりませんが。

8.型番記載シールも元通りです。

9.こちらが今回貼り替えるコーン紙アッセンブリーです。パッキンが異なる点が大きな特徴ですね。

10.作業完了で、このとおり。ツィーターの作業も完了です。


ツィーターも完成です。後期型とはまた異なっており不思議な感じがしますね。

 

クロスオーバーネットワーク  レストア



1.はずしたところです。プレート自体がもろい素材のようで、はずす際にこのとおり、崩れてしまいました。これでは組み込めません。

2.表側もこのとおり。悩みどころです。


3.というわけで、新しくネットワークプレートを製作することにしました。同じくらいのベニヤから製作します。


4.交換部品のアッテネーターです。

申し訳ございません。ネットワークプレートを新設し、完成した画像をとり忘れていました。申し訳ございません。結構よくできたのでぜひ見ていただきたかったのですが、残念です。いつかまた同じ状況になりましたらじっくりご紹介できればと思います。
とはいえ、なんだかんだとネットワークをはずす作業に一番時間が取られました。JBLではどのように組み立てたのでしょうか?とても不思議です。

 

エンクロージャー補修・組み込み作業


1.前期型は後期型とは仕上がりが異なっているようで、後期型にくらべ濃い色合いのようです。突板の種類も心なしか違っているようです。ちなみに左は作業前です。

2.バスレフポート前後期でことなり、前期型は紙製のダクトです。後期型はプラスチックでしたね。

3.ターミナルもクリーニングします。


4.取り付けビスの酸化状態は特筆に価します。これはなかなか見れません。

5.いつものようにビスは新品に交換します。残りの部品を丁寧にクリーニングしました。

6.ネットワークの取り付けです。前回同様、木ネジで取り付けます。今回はネットワークプレートを製作したため、中心にもネジが打てます。そのためこの配置ですね。

7.こんな感じで取り付けます。これで次回のレストアもらくらくです。

 

いよいよ完成です。

 

完成『JBL Decade model L26』   〜画像が少なくてごめんなさい〜

1.ようやく完成です。

2.前面バッフルもきれいにしました。見違えるようです。

こうしてみると同じ機種でも、細部はかなり変更されていることがわかります。とはいっても、JBLはとてもおおらかなメーカーので、左右ペアで購入したのに構成が異なっている、何てことも良くあります。 『L26』に関しては、エンブレムプレートの記載が違いますので、まだ親切な部類に入るかもしれませんね。とはいえ、やはりこの機種の元気な音はとても好ましいです。ついついエージングの音量も上げてしまう今日この頃です。どんなオーナー様の元へ旅立つのか、今から楽しみです。また、あまり時間をかけて(実稼動はいつもどおりなのですが、、、)しまったため、画像がかなり抜けてしまっていました。申し訳ございません。また次の機会にご紹介するようにします。お付き合いありがとうございました。

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