こんにちは。
またまたお久しぶりとなりました。
オーディオラボの田林です。
現在、ようやくサクラが見頃をむかえた4月中旬の庄内地方です。
ひと月前のことになってしまいますが、3月17、18、19日に開催したBowers & Wilkins 800D3 試聴会の様子をレポートさせていただきます。
Bowers & Wilkins(B&W)800D3。
B&W の技術の集大成であり、800 Series Diamond の最上位モデル。
実は昨年のうちに当店での展示が決まり、すでに私たちのもとに届いておりましたが、しっかりとエージングを経てこの度のお披露目となりました!
ではまず、機材のご紹介です。
スピーカー:Bowers & Wilkins 800D3
CDプレーヤー:Maranz SA-10
プリアンプ:Accuphase C-3850
パワーアンプ:Accuphase A-250
(Accuphase 小串さん ご協力ありがとうございました)
そして今回の講師は日本で最もB&Wを知っている、あの澤田龍一さん(D&Mホールディングスシニアサウンドマネージャー)!
試聴会前から私たちスタッフもお会いするのを本当に楽しみにしていました。
試聴会の時間があっという間に感じるほど、深く、広く、そして何より楽しく、B&Wのこと、音楽業界のこと、スピーカーの技術的なことなど、めったに聞けないお話をたっぷりお話いただきましたよ~。
それでは、主役の 800D3 を簡単にご紹介します。
2016年に B&W 50周年モデルとして発売されたこのスピーカー。
800シリーズ/800Diamond シリーズに次ぐ第三世代のダイヤモンドドームツイーター搭載シリーズが 800D3 シリーズです。
この特徴的な外観と評価の高さはすでにみなさんご存知の通りだと思います。
いろんな雑誌やネット記事でも目にしますよね。
多くのメーカーや録音スタジオなどでモニタースピーカーとして採用されていることも知られています。
ダブルウーハーの3WAY、1本の重量は96キロ。
存在感たっぷりですね~。
先述の通り「B&Wの集大成」と言えるスピーカーで、振動板の素材も磁石もコンデンサーも改良され、最高の素材と技術が詰まっているとのこと。
例えばウーハーのコーンの素材は有人潜水調査船「しんかい6500」などの潜水艦内壁に耐水圧浮力材として用いられる素材だとか、、、
ボイスコイルはボビンの内外2層巻きとすることでコイル温度の均一化をはかっているとか、、、
ミッドとウーハーのフレーム前面にはフレームの共振を打ち消すようにTMDと称するアルミリングを取り付けているとか、、、 (TMDは高層ビルなどの制振対策に使われる日本由来の技術だそうです!)
ひとつずつ挙げていくときりがありません。
試聴会では、バラした各ユニット、ユニットを収めるハウジング、ネットワーク、台座なども実際にご覧いただき、触れていただきながら、澤田さんの解説をお聞きいただきました。
お客様たちもそれぞれコーンを光にかざしてその繊維を確認したり、ツイーターのハウジングの内部を見たりと貴重なパーツを手に楽しんでいただいたようでした。
そして「日本で最もB&Wを知っている」という澤田さんが今回の試聴会のために持って来てくださった音楽ソースの数々!
800D3の良さが伝わるソース、理屈抜きに楽しめるソース、貴重なソース。
本当に盛りだくさんで、私たちスタッフもいろんな音楽を聴かせていただいてラッキーでした。
この 800D3、外観の存在感はたっぷりですが、音楽を再生するとその存在は消えてしまうようでした。
特にガラスCDのグレン・グールドによる「ゴールドベルク変奏曲」を聴いた時は、私たちと同じ部屋に”生きている”グールドがいるかのようでゾクッとしました。
これまでもこのガラスCDを他のシステムで聴いたことがありますが、今回、特にグールドのハミングがより近い息づかいとして聴こえた感じがします。
最初にご案内の通り、このスピーカーは当店試聴室にどーんと設置されています。
基本的にいつでもお聴きいただけますので、興味をお持ちいただいた方はぜひ遊びにいらしてください。
文字では伝わらない繊細さ、深さ、広さを体感していただけると思います。
最後に。
試聴会の合間に、澤田さんがスピーカー修理部門にもお立ち寄りくださいました。
もともとスピーカーのエンジニアだったという澤田さん。
新旧、いろんなメーカーの磁気やコーン紙があふれる修理部屋の中で、澤田さんから発せられる言葉は興味深いものばかりでした。
私たち修理スタッフは澤田さんにまとわりつかんばかりの状態で、たくさんの質問をさせていただき、貴重なお話をお聞かせいただきました。
私たちにとって本当に楽しく、貴重な時間でした。
ありがとうございました!
さて、この4月は試聴会はお休みですが、次回試聴会はすでに予定されています。
準備が出来次第、当社ホームページでご案内いたしますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
私たちも、また皆様とお会いし、一緒に音楽を聴ける日を楽しみにしております!
800D3 について詳しい情報は Bowers & Wilkins 800D3 公式サイト をご覧ください。
またご質問、ご相談などは当店までお気軽に!